【映画の感想】祈りの幕が下りる時

2019年7月19日感想, 日本映画新参者, 松嶋菜々子, 溝端淳平, 田中麗奈, 祈りの幕が下りる時, 阿部寛

初めに

新参者シリーズ完結編に当たる作品ですが、今作も麒麟の翼と同様に単体で楽しめる作品となっております。そして自分にとっては完結編が新参者シリーズ初鑑賞の作品でした。

自分が思った感想

小菅のアパートで滋賀県在住の40代女性・押谷道子の腐乱遺体が発見された。アパートの住人は越川睦夫と名乗る男性で、現在越川は消息を絶っていた。

捜査一課の松宮は殺害時期や現場が近い新小岩での河川敷で発生したホームレス焼死事件との関連性を感じながらも、道子の住む滋賀県での捜査で道子が中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねに上京したことを突き止める。

本作は前作の麒麟の翼同様に全く繋がりが無いであろうって所から、事件の真相に近づいている所は見事で、主人公の加賀恭一郎の過去にまで踏み込んだ作品となっている。

この辺りはシリーズ鑑賞済み向けかな?と思うが作中、丁寧に解説を入れているので、何も知らなくても楽しめる。

博美は松宮の従兄で日本橋署の刑事・加賀の知り合いだった。松宮から博美についての意見を求められ、初めは管轄違いということもあり捜査の助言を送る程度だった。

最初は本当につながりが見られない様に作ってあって、先ほども加賀の過去に触れるとあるが、加賀とゆかりのある日本橋が大きく関わることになる。

越川のアパートで見つかった日本橋にある橋の名前を月毎に書き込んだカレンダーには、事件を思わぬ形で加賀の中で燻っていた失踪した母に関する謎と直結させる事となる。

カレンダーに記載されていた、橋の名前は以下となっている。

  • 1月:浅草橋
  • 2月:左衛門橋
  • 3月:西河岸橋
  • 4月:一石橋
  • 5月:柳橋
  • 6月:常盤橋
  • 7月:日本橋
  • 8月:江戸橋
  • 9月:鎧橋
  • 10月:茅場橋
  • 11月:湊橋
  • 12月:豊海橋

加賀はカレンダーの内容をピッタリ言い当てるので今作がどれだけ日本橋と深く関わりがあるかストーリーが進んでいく内に明らかになるが、特に様々な登場人物の過去に踏み込み

  • どれが正しいのか?
  • どれがウソなのか?

を解き明かしていくシーンは見事で無駄が殆どないと言っていい。

そして本作のタイトル、祈りの幕が下りる時の意味も徐々に明らかになっていく、これも演出が実に丁寧なのが驚かされる所で、本作の捜査範囲は日本橋が半分その他は地方での操作が入るがストーリーの全体図を見ていくとなんで地方をいくつも移動するかがわかる。

そして捜査が行き詰まるがここで調べてない人物をどんどん上げていくが、そこから一切捜査が進まなくなるが、そこで加賀は気が付く捜査で唯一調べていないのは自分自身だと言う事に気が付く、加賀の過去に踏み込んでいる割に加賀自身は自分の事に無頓着だった事もあり、気が付くのに時間が掛かる演出は中々面白かった。

特に他人に言われて気が付くのではなく、たまたま映った自分自身を見て気が付く、その時の演出は自身の過去である事を決定づけるシーンなので説得力がある。

そしてラストまで進んでいくが、衝撃的な結末には驚かされる。最初に出てくる河川敷で発生したホームレス焼死事件で何故、焼死なのに首を絞められた跡があるのか?焼死の真相は?全て明かされる事になるが時間の流れを利用した展開には息を吞むことだろう。

ただ問題点があるとすれば、田島百合子役の伊藤蘭さんの若作り設定が無理があり過ぎる事かな流石に過去のシーンで出てきたとしても違和感しかない。こればかりは気になる方は気になる所。ただ田島百合子の亡くなるまでの過程をきっちり描いている所は評価したい。

最後に一言

1本の作品としての完成度がとにかく高く、1本の事件ものとしても見事な出来なので単純に事件ものを楽しみたいって人にはうってつけの作品なのでお勧めしたい作品。

作品の概要

公開日:2018年1月27日
監督:福澤克雄
脚本:李正美
主な出演:阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈

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上映時間:119分
鑑賞方法:映画館、Blu-ray
映画館での鑑賞回数:1回