【映画の感想】劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋

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初めに

劇場作品の5作目で、第一章の後の話となり第四章までの事件は何が原因か?ストーリーの大部分で登場する臙条巴とは?作中に出てくる巨大なマンションとは?様々な問いかけをしてくる作品で、それと同時に本作は区切りの作品にもなっている為、長編作品にもなっている。

おことわり

第一章~第四章までのネタバレを含みます。

自分が思った感想

高校を中退したフリーターの臙条巴は自分の母親を殺した、理由は母親に殺されそうになったから、巴は母親をメッタ刺しにして臓器を抉り出した。巴は母親を殺害した現場のマンションから逃げ出し、自暴自棄になって高校時代の知り合いと喧嘩していた時に両儀式と出会う。

式は巴に落とした鍵を渡しに、その時、巴は「人目のつかない所まで連れて行ってくれないか」と頼む、式は「いいぜ」と答える。

巴は当面の隠れ家として式の部屋に寝泊りする事になり、式との奇妙な共同生活が始まる。巴はその前に自分が母親を殺したことを告白する。数日後、なんであの時式に告白したか巴は答えを出せなかった事に戸惑いつつも毎日新聞等を確認し、死体が発見される記事を探すが未だに見つからない事に疑問を感じた。

最初の展開だが、この段階で幾つもの疑問が提示される。巴の証言と死体と時間の経過、そして式との関係、巧みな演出となっているが、ここで幾つか見逃すと後半の意味が掴めなくなるので注意が必要だと思った。

巴は連日の様に街に繰り出しては時間をつぶしていた、ある日のよる、道路の反対側で式を見つける。しかし式かと思って見ているとマジシャン風の人物が道路の反対側から巴を見つめ、合図をする。巴はそれに驚くがトラックが通り過ぎたと同時に姿を消す。

不安を覚えた巴は式に確認をする。この時、巴は既に式に惚れており、それを伝えた際に式は「オレの為に死ねる?」と巴に問いただす、巴は「いいぜ、お前の為に死んでやる」と答える。この時、巴は母親を殺した時に事の詳細を話し始める。しかし式は巴を突き放す、突き放された巴は式の家ににはいられないと感じ家を出る。

そして式の家を出て1週間後、巴は街で自分が殺したはずの母親を街で見つける。驚きを隠せない巴は式の家を再度訪ね、巴は確かに殺したと言うが式は「ニュースになっていないのなら殺してないのが普通だと」答える。それでも殺したと言い張る巴に式は確かめに行けばいいと言い、巴と一緒に巴が住んでいたどこぞのマンションこと、小川マンションに向かう。

この段階で見てる側も混乱に陥る演出は見事で整理が追い付かなくなる。しかしこの後は更に整理が追い付かなくなるシーンが出てくる。式と共に巴の住む小川マンションの405号室を尋ねると、家の中で母親が巴の父を殺し、その後、巴を殺害するしその後に自害するシーンを巴が見る事になる。巴は混乱するがここで式は小川マンションそのものにカラクリがあるのでは?と結論付ける。

そしてカラクリに気が付いた式は405号室の反対にある410号室に向かう、そこには腐乱死体と化した巴の両親が居た。巴は現実に落胆するが、式はこれが作り物だと気が付き410号室を出るが外には大量の人がいた。その先に荒耶宗蓮が居た、一連の事件で暗躍し、両儀式の体を手に入れるために。

一連の騒動と言うのは第一章の巫条霧絵と第三章の浅上藤乃を件で、彼は裏で暗躍していた。しかし、それが失敗に終わった事もあり、入念に準備をした上で自ら式と直接対決する事になった。その時になぜ巴は母親が自害するシーンを見る事になるかを明かされ、ストーリーは大きく動く、式は戦いの中で死の線が見えず苦戦する、その後、式は荒耶宗蓮の思惑通り魔術によって小川マンションに囚われてしまう。

ここから蒼崎橙子と黒桐幹也の視点に移る、幹也は運転免許証を1ヶ月の合宿で取得し、橙子の事務所に戻っていた。そこで橙子は刑事から聞いた話を元に幹也に調査の同行を依頼する。そのマンションとは式と巴が向かった小川マンションだった。

ここであの時の巴が見たマジシャンが登場し、調査を進めていく行く内にストーリーがどんどん小川マンションに集約されていき、巴が見かけたマジシャンは魔術師のコルネリウス・アルバで蒼崎橙子・荒耶宗蓮との協会では同期で関係がクローズアップされていく、それと同時に橙子と荒耶宗蓮との戦いも始まる。

ここからはアクションシーン中心で、ストーリーを解説しながら進んでいく、アクションシーンも登場人物の個性を生かしている。特に今までは式中心のアクションシーンだったが橙子の動きは非常に面白い。

ただアクションシーンと同時にグロテスク表現がかなり強い、心臓を抉り出す、頭を潰す等直接的な表現が強い。意味があって行われるシーンだけどやはり耐性が必要だと思った。

ただ、ここで凄いと思ったのは橙子の能力だろう、あるシーンでアルバは圧倒的に優位に立つが橙子の能力を見誤っていた事により優位が逆転シーンは面白かった。

自身の能力を過信していたり、自己顕示欲が強いなど性格がそれを引き起こした原因でもある為、アルバの行動はある意味読めるが、橙子の行動は全く予測出来なかった。

そして巴の真の正体、巴と荒耶宗蓮の対決、式の運命、全ては小川マンションの中で決着がつく。この時の映像と音楽が絡みあった演出は是非その目で確かめて欲しい所。

最後に一言

長編作品になっているだけあって、全体図が大きくなっていて一本の映画としても完成度がとても高い、ただしシリーズものなので過去作をキチンと見ている必要がある。敷居は少し高いが4作品を鑑賞の後に見て欲しい作品。

作品の概要

公開日:2008年8月16日
監督:平尾隆之
脚本:平松正樹
主な出演:坂本真綾、鈴木健一、本田貴子、柿原徹也、中田譲治、遊佐浩二
上映時間:112分
鑑賞方法:Blu-ray