【映画の感想】検察側の罪人

2019年10月5日感想, 日本映画二宮和也, 原田眞人, 吉高由里子, 大倉孝二, 平岳大, 木村拓哉, 松重豊, 検察側の罪人

初めに

雫井脩介さんの小説を映画化した作品で、木村拓哉さんと二宮和也さんのダブル主演となっていて、二人の検事を軸にしたストーリーで検事とは何か?を描いた作品でもある。

自分が思った感想

検察教官

本作は、過去の出来事・現代を交差させたストーリー展開で始まり、最初は検事である最上毅が、検察が証拠の捏造をしたとした報道ビデオを検察教官として生徒に見せていた。

その事件がキッカケとなり、検事が聴取を取る際、カメラでの録画が義務付けられていた(相手が録画をしなくて良いといった場合はその限りではない)そこで検事の最上がこう警告する。

  • 馬鹿!と怒鳴りつければ、検事は人格攻撃をしたと弁護士から判断される。
  • 馬鹿!みたいな事をいうなだったら逃げ切れるかもしれない
  • 法律と言う抜群に切れる剣を全員が持っているということ

しかし最上は教え子を切れ味の悪い真剣と言う、しかしそういう時に武器になるものは何かと生徒の一人である沖野啓一郎に質問を投げかける。沖野の答えは

  • 動的事実認定力
  • 独自に捜査を主導でできる力があり、事件のストーリーをイメージする発想力

その答えに最上は、事件の真相を解明したいと言う強い気持ちを持つこと、そして自分の正義 自分のストーリーに固執する検事は犯罪者に堕ちると言う。

最初では最上が検察教官している時の話から始まるが、ここでは幾つかの伏線が既に用意されているのと、作品全体の空気感というものがわかるようになっている。

冷たい刃物の様な鋭さを持った最上、そして作中に流れる常に緊張感が漂う空気感が更に冷たさを増す感じとなっている。

新人検事

4年の時が経ち、検事となった沖野は刑事部に配属され、教官だった最上の部下として新人検事として働くことになる。そこで最上は諏訪部利成と言う男の聴取を取ってくるようにと依頼をする。

諏訪部は饒舌な男で、事件については語らないが世間話程度だったら話すが、新人である沖野は諏訪部に軽くあしらわれてしまう。聴取が上手く行かなった沖野は最上に謝罪をするが、最上にとってそれは想定の範囲内だった。

だが沖野はそれにめげずに、最上流の正義を継承し検事として更に頑張ることを決める。

最上は沖野にある街で起きた刺殺事件を沖野に担当させる。最上も沖野と共に行動をし先輩検事として、沖野の指導にあたっていた。捜査を進めていくうちに幾つかの人物が捜査線上に上がってきた。

犯人は誰?

捜査で浮かび上がってきた人物は、松倉重生と言う男で63歳、リサイクルショップでアルバイトをしている、少し変わった人物だった。どんな人物かと言うと

  • 若者を軽視している所があり、聴取の際でも年下であれば牙を剥く
  • 風采のあがらない男で意味不明な行動を取ることがある。
  • 本人曰く不幸体質らしく、事件が向こうから寄ってくるらしい

だが松倉を犯人にするには少々物的証拠が弱く、松倉がリサイクルショップの商品を横流しをしていると、諏訪部が最上の依頼で調べ上げ、横領の罪で一旦は逮捕することになる。

そして逮捕された、松倉は沖野の事情聴取を行う事になる。ここでは松倉の過去、最上の過去、最上が何故松倉に執着するのか?様々な事が明らかになっていく、その中には既に時効になっている殺人事件の真相が明らかになる。

ここで面白いのは松倉に聴取をしているとは言え、元々は横領で逮捕していて、そこから更に殺人犯として起訴しようとしているが松倉が犯人であると言う証拠は何一つ用意できていないという事も聴取の中でも明らかになる。

松倉に執着する最上は”自分のストーリーに固執する”という事を選ぶ、その為には手段も選ばない行動を取り始まる。闇社会と関わりが深い諏訪部を頼り、ある事を計画する。

その背後には部下の沖野が上司である最上が松倉に固執する最上の行動に疑問を持ち始める。

今作は検事がダークヒーローとして行動することになるのがストーリーを紐解いていく内に理解できるように作られている。ダークヒーローなので綺麗事よりも汚れ仕事の方が強くなっていく所も面白い。

それだけではなく最上役を演じる木村拓哉さんの殆ど笑わず、冷たい刃物の様な雰囲気を醸し出しているのは見事と言える。

だが難点として、後半が結構駆け足で幾つかのシーンは回想でみたいな感じで済ませてしまったりするので雑な印象を受ける。これは最上が出ていないシーンで行われるのである意味で正解なのかも知れないが物足りなさは否めない。

最後に一言

弁護士が無罪を勝ち取るという、真逆の有罪を勝ち取ると言うストーリーを描いているが、正当な手段と正当でない手段と様々手口を使ってと言う部分が特に面白い作品、ただし暗い雰囲気が苦手な人には進めにくい作品でもあると感じた。

作品の概要

公開日:2018年8月24日
監督:原田眞人
脚本:原田眞人
主な出演:木村拓哉、二宮和也、吉高由里子、松重豊、平岳大、大倉孝二

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上映時間:123分
鑑賞方法:映画館、Blu-ray
映画館での鑑賞回数:1回