【映画の感想】人魚の眠る家

感想, 日本映画人魚の眠る家, 坂口健太郎, 堤幸彦, 川栄李奈, 篠原涼子, 篠崎絵里子, 西島秀俊

初めに

東野圭吾さん原作の小説を実写映画化、離婚を決めていたある夫婦だったが、娘が事故に遭い脳死状態に陥る、その家族が下した決断は・・・

自分が思った感想

播磨夫婦は、現在別居状態にあった。それは夫である和昌が浮気をしたことが原因で、妻である、薫子は娘の瑞穂が小学生に上る前の受験までお互い協力をし、その後離婚をすると約束をしており、その手筈を着々と整えていた。

別の場所では、祖母の千鶴子が孫の姉の瑞穂、弟の生人、瑞穂の従兄弟にあたる若葉と4人でプールに遊びに出かけていた。子供たち3人はプールではしゃぎ、楽しい時間を満喫していた。

しかし、そこで事故が起きる、瑞穂がプールの排水溝の網に指を突っ込んで抜けずに溺れてしまう。和昌と薫子は病院に駆けつけるが、集中治療室に運ばれた娘が脳死状態であることを告げられ医師から厳しい選択を迫られてしまう。

ここで迫られた選択は2つ

  • 脳死状態として死を確定し、臓器提供を行うか
  • 心臓停止を持って死を確定するか

法律上、この2つしか選択肢が無く、和昌と薫子は悩み抜いた結果、”娘は他人を思いやれるいい子だった”と判断し、脳死判定を受け入れる事になった。そして瑞穂との別れの時、動くはずのない手が微かに動くのを薫子は偶然目撃する。

薫子は”この子は生きようとしている”といい、臓器移植が行われる間近で脳死判定を拒否する事になった。そして一定期間入院した後、意識が戻らない瑞穂を在宅介護に切り替える事を決断する。

ここで、娘の事故により、播磨家は方向転換を余儀なくされる。離婚の件は白紙に戻り、和昌も家族の為に行動を起こそうとする。ただこれは関わった人間全ての人生を狂わせる事になる。

本作では、脳死状態に陥った場合の先の話を描いており、相手が子供とはいえ介護をしないと行けないし、6歳と言う育ち盛りが寝たきりとなると身体にも影響が出る。(体が育たない、健康状態を体内でコントロールできない)

IT系機器メーカーの社長であった和昌は、娘が介護状態になっているとは日々の仕事はこなさないといけなかった。会議の際、たまたま同席していた、研究員・星野祐也に声をかける。

星野は障害者をサポートする最先端の技術を研究する研究員で筋肉に電気信号を流し手足が動かせるようになる技術を試験的に開発していた。和昌はその技術で娘の体を動かせないかと考える。

和昌は薫子にその技術を使いたいと駆け寄る、最初は薫子は否定はするものの和昌が”この技術に掛けてみよう”と意気込んでいた為、了承することになった。

そして星野は業務と研究の一環として、播磨家を訪れ、瑞穂の体に電気信号を流す装置を装着し、脳に電気信号を流す事で体を少しだが動かすことが出来るようになる。

これが回復への1歩だと思った薫子と和昌と、自分の研究の成果が認められた事に喜ぶ星野、だがこれが播磨家への更なる大きな転換期となった。

最初にも人間全ての人生を狂わせるとあるが、文字通り全員が大きく変わることになり

  • 薫子は娘が機械に繋がれていても生きている実感する。
  • 和昌は研究と称しているが、徐々に会社役員から冷たい目で見られる様になる。
  • 瑞穂は眠ったままだが、筋肉量を維持し眠ったまま健康に成長を続ける。
  • 生人は姉が原因で所々に反抗的な性格になっていく。
  • 祖母の千鶴子は自分が原因だとずっと自分を責め続ける。
  • 星野は研究にのめり込むが、それが次第に星野のプライベートの人間関係に影響が出るようになる。

本作で面白いと感じたのは、いい話に持っていこうとしない所・奇跡に頼らない所で人の苦悩を上手く描いている所が面白い所で、平凡に見えるが徐々に、薫子以外が歪んでいき、その歪みが人の迷いを表現しているのと感じた。

それと同時に人を物凄く選ぶ作品になっており、内容を知らずに見て凹む可能性もある。一応、マイルドには作られており、若干ながらサスペンス要素も含まれる。

最後に一言

事故が原因で家族の人生を大きく変える姿をある意味、リアリティに描いている作品で、介護対象が子供でもこうなる可能性があると言うメッセージも込められている意欲的な作品

作品の概要

公開日:2018年11月16日
監督:堤幸彦
脚本:篠崎絵里子
主な出演:篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈
上映時間:120分
鑑賞方法:Blu-ray