【映画の感想】アウト&アウト

2019年11月3日感想, 日本映画きうちかずひろ, ハセベバクシンオー, 小宮有紗, 岩井拳士朗, 白鳥玉季, 竹中直人, 遠藤憲一

初めに

小説家の木内一裕さんの作品を、自ら監督を務め実写映画化、監督ではきうちかずひろ(平仮名)と別名義となっている所も面白い。

自分が思った感想

ある、立体駐車場。そこに男性がおり、誰かを待っていた。その待っていた人物が男性の前に車に乗って現れた。しかし車から降りてきた人物は、被り物を被っていた。

男性の目的は待ちあわせの人物から拳銃を買うこと、しかし仮面を被り物をした人物拳銃を取り出し、男性を脅す。

脅された男性は、指示には従うものの、追い返される際に不意を付き反撃し、被り物の人物を気絶させ、拳銃を奪っていくのだった。気弱そうな男性は、見て目に反し体術系が強く、脅した相手を返り討ちしていくのだった。

別の場所のある探偵事務所では日本最大の暴力団の側近だった矢能政男はある出来事を堺にヤクザ稼業から足を身を引く。

その後、とある事情で訳ありで預かっている小学二年生の少女・栞と二人で探偵事務所を営んでいるが矢能は仕事を選ぶ事が多く、栞から見れば言い訳にしか聞こえなかった。

本作は主人公は探偵の矢能政男であるが、その他に冒頭に出てきた、気弱な男性との2つの視点を使った展開が多く見られる。

  • 探偵の矢能は元ヤクザだが小学二年生の少女・栞に尻に敷かれる
  • 気弱な男性は見た目に反して、体術が強い

二人とも個性がかなりあり、矢能は元ヤクザで暴力的な発言は多いが、栞の前では控えめにしているなどのギャップが面白いし、気弱な男性は気弱な振りに見える所と冷徹さが見えたりとこちらもギャップが強い。

ある日、探偵の矢能で電話で取引の現場に立ち会って欲しい、という依頼が入る。指定された場所に向かうも、向かった先には、銃で撃たれたと思わしき死体があった。

疑問に感じた矢能は調べようとするが不意を付かれ、マスクを被った男に銃口を向けられていた。



その男は、矢能にその拳銃を握らせ矢能の指紋をつけるのだった、仮に死体と拳銃が発見されたら、真っ先に矢能が疑われるからである。その後、マスクを被った男は矢能をうつ伏せにさせたまま、縛ることも無く立ち去っていく。

去っていったマスクを被った男はマスクを取るが、その男は立体駐車場で拳銃を奪っていった、気弱な男性だった。

その後、矢能は死体を便利屋に処理をさせ、血まみれのシャツもその場で処分など、気弱な男性がやったと思われる殺人を便利屋を使い闇に葬った。

気弱な男性はその後、彼の師匠にあたる堂島哲士を訪ね、死体の男・安田を始末したと報告する。堂島は弟子である池上数馬を褒めるが、師匠の為といい堂島が礼金を出すがそれすら断る。

事件を闇に葬られた事を知らない池上が知らない所で、矢能は今回の殺人について情報屋を通じ、人物と関連人物を調べる。

矢能は殺人現場で死体から携帯電話回収しており、殺された人物が安田である事を知っており、その安田の恋人から、事件の真相を調べてほしいと言う依頼も受けていた。

ここからは、矢能と池上との心理戦が始まる。矢能は死体を回収しており、その死体を生きていると偽り、池上を騙し、行動の計画を狂わせたりと、元々暴力団の側近だったこともあり人を見抜く能力に長けていた、更に事件を調べていく内に、ある国会議員の名前が浮かんでいくる。

その人物は鶴丸清彦、落選確実と言われた議員だが、カンボジアのある事件がキッカケでヒーローとなり、逆転当選を果たしている。その背景には堂島、池上、安田が関わっていた。

矢能はその事件に関わった事で沼にどんどん足を踏みれていくのだった。

この作品は原作者自ら映画化しているだけあって、再現度はとても高い、流石に原作が2009年に出版されているので、一部現代風に置き換えているがそれ以外は原作の雰囲気を壊さない様にしている。

本作では、殺される安田を中心として動くが、その他に栞も実は中心におり、安田は事件中心の人物、栞は事件の外での中心人物と役割がはっきりしている。

演技面では矢能政男を演じる遠藤憲一さんの演技が素晴らしく、CMとかではにこやかな表情が多いが本作の元ヤクザの少々乱暴な発言や行動の演技はズバ抜けて良く、見ていて惚れ惚れするくらいだ。

ただし難点もちらほら見られる、本作は小説「水の中の犬」の続編で、矢能と栞は前作から出ており、二人が何故一緒に住んでいるかの経歴は本作では全く描かれていない。

ちなみに原作でも描かれていないので原作再現と見れば悪くないのだが、人物背景気になる人は気になると思う。

その他だと、元ヤクザ・ヤクザ・マル暴などが登場するので全体的に暴力的な発言系が多い、魅力的な側面もあるが気にする人は気にするだろう。

最後に一言

原作小説の再現として見るから、本当によく出来ており、原作自体も面白いのでその面白さをそのまま映画にしたという良作だが、上映期間も短い事もあり、隠れた良作と見るのがいいだろう。

上映期間が短く映画としての知名度が低いため、Blu-rayが発売されなかった邦画の1本でもある。

作品の概要

公開日:2018年11月16日
監督:きうちかずひろ
脚本:きうちかずひろ、ハセベバクシンオー
主な出演:遠藤憲一、岩井拳士朗、白鳥玉季、竹中直人、小宮有紗
上映時間:106分
鑑賞方法:映画館、DVD
映画館での鑑賞回数:1回