【映画の感想】女王陛下のお気に入り

外国映画, 感想オリヴィア・コールマン, ストーン、レイチェル・ワイズ, デボラ・デイヴィス, トニー・マクナマラ, メイシャム - エマ・ストーン, ヨルゴス・ランティモス, 女王陛下のお気に入り

初めに

18世紀初頭を舞台にした、女性のしたたかな攻防を描いた宮廷ドラマであり、貴族から陥落したアビゲイルが再度貴族に戻るまでの過程を描いた逆転劇の作品でもある。

自分が思った感想

まず、英国はスペイン継承戦争でハプスブルク家(オーストリア)側に付き、フランス王国との戦争の渦中にあった。その戦争を指揮しているアン女王は健康状態が思わしくなかった。

アン女王は親友であり側近のマールバラ公爵夫人サラに頼り切っていた。頼り切るのは公務、プライベート問わずにだった。そのサラはアン女王の親友であり、その関係でサラは宮殿内に自分の部屋を持っており、更には女王寝室へ行くための隠し扉の鍵まで与えられていた。

そのアン女王と側近のサラとの関係は

  • サラはアン女王を呼び捨てでアンやミセス・モーリーと呼ぶ
  • アン女王はサラをミセス・フリーマンと呼ぶ
  • アン女王とサラはお互いに意見を述べ合うことが出来る関係
  • 時にはサラがアン女王に平手打ちをする事もある。

アンとサラの関係は最初に語られ、そしてその1~その7にわたる章形式でストーリーが進んでいく、この二人の関係は作品の全体で語られる内容となる。

その1:ここの泥は臭い

その1では、主人公枠のもうひとりにあたる没落貴族の娘アビゲイル・メイシャムはサラの縁故を頼って宮廷へ上がり、女中となる所から始まる。

しかし、そのアビゲイルは宮殿に到着し馬車を降りる際、押し出され泥を浴びる。その結果、泥を浴びた状態で宮殿に来たのと泥の匂いから、その1のタイトルが付けられる。

その1では貴族が屋敷内でどんな風に過ごしているか?がわかる映像が用意されており、女中の日常と貴族の日常の両方の生活風景を見ることが出来る。

さらにアビゲイルは薬草の知識を持っており、足の痛みを訴えるアン女王の為に薬草を作ったりするシーンもある。アン女王の寝室に侵入して足に薬を塗ったりする。

その後、それがサラにバレ、アビゲイルは鞭打ちの折檻を受けるがアン女王が足の痛みが引いた事が分かったため、折檻の途中でアン女王に呼ばれ、女官に格上げとなった。更にアビゲイルは個室を与えられる。この時のアビゲイルの表情は計画通りの表情だった。

その2:思い違いや不慮の事故が怖い

女官になったアビゲイルは屋敷のルールを覚えている最中だった。猟銃の使い方を覚えたりと様々な事をサラから教わっていた。だがアビゲイルは屋敷貴族男性を探ろうとしていた。一部はそれに気がつくが大きな行動では無いので見逃していた。

ある日、アビゲイルは女王寝室に忍び込んで調べ物をしていた最中、アビゲイルはアンとサラがベットで共に過ごす所を目撃する。アビゲイルはアンとサラはが同性愛者である事を知ることになる。

その1、その2ではアビゲイルのしたたかな策略が見え隠れしており、ハンサムな貴族サミュエル・マシャム大佐、政治家のロバート・ハーレーに接近など、アンとサラが気が付かない範囲で様々な行動を取る。これが序盤~中盤開始までの経歴となる。

その3:何という装い

ここでは主に、アビゲイルとアン女王の距離が縮まり、アン女王はサラだけでなくアビゲイルにも頼るようになる。アビゲイルとアン女王の距離が縮まったキッカケはアン女王が飼っているウサギがアビゲイルに懐いたからである。サラはウサギに懐かれなかったので余計にアビゲイルを気に入るようになる。

その4:ささいな障害

アビゲイルとアン女王の中が深まる中、サラは女王の意志決定を半ば代行し、宮廷を公私にわたり取り仕切っていたが、アン女王はそれが疎ましく感じるようになっていた。

それにサラは気が付かず、アビゲイルはアン女王の気持ちを汲み取ったり、飼っているウサギを可愛がったり、アン女王の歩調に合わせてダンスをしたりとアン女王と関係は更に良くなっていった。

そしてアン女王とアビゲイルはある夜を堺に同性愛者の関係となる。それをサラは目撃するのだった。

サラはアビゲイルが本を盗み出した事に気がつく、サラはアビゲイルに本を投げつけ部屋から追い出すが、アビゲイルは投げつけられた本を使い、あえて自害しアン女王の前で訴えを起こす。

サラは女王にアビゲイル追放を進言するが、先手を打っていたアビゲイルの姿を見て愕然とする。アン女王はアビゲイルが愛してくれた事を理由に、すでに寝室付の女官に任命していた。

その3とその4ではアビゲイルが更に上へと上がる為の過程を描いているが、サラを蹴落とすと言うのが更に加わっている。そう、サラに対して恩を仇で返すと言うがアビゲイルの目標だった。

その5以降

その5以降はアビゲイルの策略により更に内容がエスカレートしていく、本作のテーマの一つに寵愛を奪い合う女性2人である。サラ、アビゲイル共にどうやってアン女王に接近するか?がよく練られている。

サラはアン女王の親友と言うアドバンテージがあるがそれを覆すかのストーリーにもなっている。作中では戦争中となっているが、そういったシーンは一切出てこない。話の8割以上は宮殿の中で行われる。

その為、派手な演出は無く全体的に地味な印象も受ける。カメラワークや演出のこだわりは良いが、ほぼ会話だけでストーリーが進んでいくので退屈に感じてしまう箇所もあった。

最後に一言

没落貴族の成り上がりとして見ると全体的に良く出来ている。ただ、全体的に地味な作りではあるので、派手さを求める人には向かないと思う。

作品の概要

原題:The Favourite
日本公開日:2019年2月15日
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ
主な出演:オリヴィア・コールマン、メイシャム – エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ
上映時間:120分
鑑賞方法:Blu-ray