【映画の感想】ピエロがお前を嘲笑う

外国映画, 感想アントニオ・モノー・Jr, エリアス・ムバレク, トム・シリング, バラン・ボー・オダー, ピエロがお前を嘲笑う, ヴォータン・ヴィルケ・メーリング

初めに

天才ハッカーの青年が自ら警察に出頭し、事件の顛末を自らの自白と共に回想として勧めていくサスペンス映画、主にハッキングの世界を描いた作品。

自分が思った感想

主人公ベンヤミンはある部屋に向かっていた、向かった先では男性3人が既に死亡していた。そしてベンヤミンは警察に出頭して、自分がハッカーである事、連日のハッカー事件は自分が関わったと自白をする。

その取調室で捜査官のハンネ・リンドベルクが事情聴取を行う、ボイスレコーダーの録音ボタンを押した時、ベンヤミンはポツポツと事件について語り始めた。

ベンヤミンは言う張り巡らされたネット、僕はそれに捕まったと・・・

インターネット=張り巡らされた蜘蛛の糸と表現しているのは中々上手い表現だと思った。しかし現実世界ではベンヤミンに居場所は無かった。ベンヤミンの母は自殺をしており、祖母の世話になっていたが時期が経つにつれにそれが逆になった。

しかしリンドベルクはベンヤミンの過去を知りたいわけではないと言い、事件の事を話すようにと迫る。ベンヤミンは改めて事件について語りだした。まずはベンヤミンがなぜハッカーになったかが語られた。

14歳の時にネットの世界をしり、その世界に飛び込むが一般の人は通常のネット世界を見ているがベンヤミンはダークネットと呼ばれる闇サイト系に身を置くようになった。ダークネットの世界では望み通りの人間になれると言う。

今作ではダークネットの世界を仮面やかぶった人たちと例え、匿名性が高いダークネットでは自分の顔がわからない=匿名になるで表現をしており、構図がわかりやすく表現されていた。

わかりづらい部分をセリフだけで表現するのでは無く、人物像を見立てたドラマ風にすることでダークネットの匿名性の意味を説明するあたりは実に見事だった。

そんなベンヤミンはダークネットで憧れる人物がいた、自称MRX、ハッカー界では侵入出来ない所など無いハッカー界でのスターの存在だった、そんなMRXはベンヤミンにアドバイスをする。

  • 1.安全なシステムはない
  • 2.不可能に挑め
  • 3.サイバー世界と現実世界両方楽しめ

そんなベンヤミンは現実世界では、目立たない存在だった、ベンヤミンはスーパーヒーローになりたかった。大学で憧れの女性の為に試験問題を盗み出し、それが見つかり50時間の奉仕活動を命じられる。

その奉仕活動の最中に転機が訪れる、同じく奉仕活動に参加していたマックスが、ベンヤミンになんで奉仕活動に参加しているかを聞き出し、それを聞いたマックスがベンヤミンを仲間に引き入れようとする。

マックスが主催するあるパーティーでベンヤミンは自分がハッキングを出来ることを、マックスと一緒居たシュテファン、パウルに告げる、実際ベンヤミンはその腕前を見せ3人を驚愕させる。

そして、4人はハッカー集団として、大学の発表会の映像をハッキングしたりと活動を始めるがその時、名前を決める事になった。

その名はクレイ(CLAY)、それはピエロがお前をあざ笑ってる(Clowns Laughing At You)の頭文字を取り、ピエロにあやかって仮面を装着することを決める。

そんなクレイは世間を騒がせるハッカーとして世間の話題をさらっていった、ネット通販業者を翻弄・株価の操作・新聞記事の捏造と世間を騒がせ人気者になるのも時間の問題だった。

しかし人気者になったクレイだが、MRXからすれば小物ハッカーのおままごと程度と捉えていた、そんなベンヤミンは連邦捜査局のハッキングを計画する。

ベンヤミンは連邦捜査局のハッキングに成功し頂点へと上り詰めたように見えたが、ベンヤミンのある行動が後に大きな急展開を迎えるのだった。

ある行動にはMRXも絡んでおり、大きな急展開はサイバー世界と現実世界で蜘蛛の糸の様に複雑に絡み合っていくのだった。

今作ではMRXの3つのアドバイスが作中に遺憾なく散りばめられており、ハッキング・不可能に挑む・楽しむが表現されており、しかしその中でMRXに踊らされているベンヤミンをあざ笑う表現も巧みに表現されている。

事件ものの作品ながら銃撃戦等のアクションシーンは一切なく、手の読み合いをどうやって再現するかを重きに置いている所も見どころであると同時に、派手さは欠けるのでサスペンス映画+アクション要素を求める人には向かないかも知れない。

最後に一言

タイトルの通り、ピエロ=仮面を上手く使った展開やネットの仕組みを目でわかりやすく表現している、サスペンス映画でおすすめしたい1本で、派手さは無いがよく出来ているので興味がある方はぜひ見ていただきたい。

作品の概要

原題:Who Am I – Kein System ist sicher
日本公開日:2015年9月12日
監督:バラン・ボー・オダー
脚本:バラン・ボー・オダー
主な出演:トム・シリング、エリアス・ムバレク、ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、アントニオ・モノー・Jr
上映時間:106分
鑑賞方法:Blu-ray